マルコフ過程としての年賀状

さて年賀状である.誰に出すか,というのはけっこうな悩みどころである.出してない相手から来てしまったとき,出した相手から何も来ない時,お互いに気まずいものである (互いに了解している場合はいいのだけど).そういう微妙な人に出すべきかどうか.

とりあえずの判断材料として,私の場合は「去年年賀状を用意して送ってくれたか」をみる.去年年賀状が来てれば今年は出す,来なければ出さない (喪中などの場合はとりあえず「来た」としてカウントする).私が出した年賀状を読んであわてて送ってきたことが明らかな場合は,もともと送るつもりがなかったと判断する.こうすれば,「去年私に年賀状を書くつもりがなかった人間に,私が書かなかったところで失礼にはあたらないだろう」ということになる(ぉ.

実は,このルールでやってる人は,私以外にもけっこういるみたいだ.で,このルールを持つ 2 人が互いに年賀状を出す場合,ちょっとやっかいなことが起きうる.振動現象だ.

A が B に年賀状を送る.B は出してなかったのであわてて返事を書く.A は返事をみて,「あー来年は出さなくていっかー」と判断する.1 年が経過する.A は B に出さない.だが B は去年気まずい思いをしたので年賀状を A に送る.A はあわてて返事を書く.B は返事をみて,「あー来年は出さなくていっかー」と判断する….こんな調子で,役割を毎年交替しながら永遠に繰り返される.

これ,どっかでえいやっとやめてしまうか,2 年前の結果まで参照するようにすればすむ話ではあるんだけど,なかなかそううまくいかない.