指揮者が二人でコラーゲン II

先日,なんとなく TV でオーケストラの演奏を眺めていたら,「コラーゲン II」というすごい名前の曲を演奏しだした ([2004-12-31] の変なタイトルの曲リストには載ってない).

見ているとなんと指揮者が二人登場して壇上にあがり,タクトを振り出した.異様な光景である.二人の指揮は,テンポもダイナミクスも全く異なってる.なんだこれはー.画面に出た字幕を読むと,演奏者は各自,どちらかの指揮者に合わせて演奏するらしい (事前に適当に割り振ってあるのだろう).舞台の端のほうにいるチェロやビオラの人達が,普段と違って首を乗り出し,目を皿のようにして,必死な形相で指揮者をみながら弾いてたのが印象的.そりゃ,ちょっとでも気を抜くと,どこを弾いてるのかわけわからなくなるもんなあw.

最初は不協和音の塊にしか聴こえなかった曲だが,何かの瞬間に二つの指揮がシンクロしたり,思いがけない和音があったりして,けっこう楽しめた.というか,指揮者二人なんて面白い試みだと思う.練習は大変だろうけどな.でも本番で間違えても誰も分からないだろうしww.


ぐぐってみると,なんと院生が作曲したらしい.

「コラーゲン II」の名前の由来はわからないが,「コラボレーション」と絡めて書いてある blog があった.というか,そもそもタンパク質コラーゲンの語源は,Kolla=にかわ (ギリシャ語) + Gen=発生源 (ラテン語) で,「コラージュ」も同じ語源だそうだ.異質なものが合わさって一つの音楽を作る,いろいろなパッセージがコラージュされて曲を形成する,といった意味で,なるほどと思った.