音楽シャッフル・クイズ

結城さんの音楽シャッフル・クイズ

に応募してみたら,どういうわけか掲載されてしまったのはいいのですが (n さんというのが私です.結城さんありがとうございました),よくみると

前回のランダム・アルバイト・クイズでは壮絶な勘違いをしでかしてしまいましたが,めげずにシャッフルクイズにも回答してみます...
なんてところまでしっかり載っちゃってるよ….あうー. _| ̄|○



というわけで,「壮絶な勘違いって何ナニ?? うひひ」と興味津々の方のために,ランダム・アルバイト・クイズの解答もついでに晒してみます. m9(^Д^)プギャー してやってください…

ランダム・アルバイト・クイズ自体はこちら.n さんの送った解答は以下.どう間違えたかは読めば分かります.が,読む気もおきないと思うので簡単に解説すると,帰納法演繹法がごっちゃになってるっつーことです.あほすぎ.鬱死(ry

問題 1:
 
可能である.以下の手順に従えばよい.
 
k 番目の応募者が来た時,
  - k <= 5 であれば無条件に待機させる.
 
  - k > 5 であれば,6 名 (控え室内の 5 名 + やってきた 1 名) から一人
    を選び,拒否する.ただし,拒否対象は以下の確率分布に従って選択する.
 
       * 控え室内の人の場合: 1/k
       * やって来た人の場合: 1 - 5/k
 
このとき,各応募者にとって,最初に控え室にやって来てからこの時点まで待
機し続けられる確率は等しく 5/k になる.これが k >= 5 なる任意の k につ
いて成り立つから,一日の終わりまでに N 人の応募者が訪れたとすれば,採
用される確率は等しく 5/N になる.
 
 
問題 2:
 
k 番目の応募者が来た時,
  - k <= S であれば無条件に待機させる.
 
  - k > S であれば,S+1 名 (控え室内の S 名 + やってきた 1 名) から一
    人を選び,拒否する.ただし,拒否対象は以下の確率分布に従って選択す
    る.
 
       * 控え室内の人の場合: 1/k
       * やって来た人の場合: 1 - S/k
 
このとき,各応募者にとって,最初に控え室にやって来てからこの時点まで待
機し続けられる確率は等しく S/k になる.これが k > S なる任意の k につ
いて成り立つから,一日の終わりまでに N 人の応募者が訪れたとすれば,採
用される確率は等しく S/N になる.
 
(帰納的証明)
 
まず,k = S とする.集まった S 名が待機できる確率は明らかに 1 である.
 
つぎに,k = n ( >= S) とする.いま,控室の S 人の応募者に 1 から S ま
で番号を振り,新しくやって来た応募者に S+1 をつける.
 
わたしが拒否対象の選択を繰り返していくと,各応募者が待機し続けられる確
率は明らかに減っていく.候補者 i が部屋に残っている確率を P_i(n) とし,
わたしが応募者 i を拒否する確率を a_i(n) とすれば,
 
    for i=1...S,  P_i(n) = P_i(n-1) * (1 - a_i(n))             (1)
    for i=S+1,    P_i(n) = 1 - a_i(n)                          (2)
 
となる.
 
控え室にいる S 名は,やって来てから現在まで待機し続けられる確率が等し
くなるように選ばれているはずなので,
 
    for i,j=1...S,  P_i(n) = P_j(n)                            (3)
 
である.よって以降では単に P(n) とかく.また,わたしがこれから行う選択
によって,各応募者のチャンスに差があってはならないので,
 
    for i,j=1...S+1,  P_i(n+1) = P_j(n+1)                      (4)
 
である.さらに,明らかに
 
    Σ a_i(n) = 1                                              (5)
 
である.
 
(1)(3)(4) より明らかに,i=1...S に対し a_i(n) は等しい.よってこれを単
に a(n) とかく.また,i=S+1 に対する a_i(n) を a'(n) とかく.(1)〜(5) 
を書き直すと,
 
    P(n) = P(n-1) * (1 - a(n))                                 (6)
    P(n-1)(1 - a(n)) = 1 - a'(n)                               (7)
    a(n)S + a'(n) = 1                                          (8)
 
となる.(7)(8) より,
 
    a(n) = P(n-1) / (P(n-1) + S)                               (9)
 
が得られる.これを漸化式 (6) に代入すると
 
    P(n) = SP(n-1) / (P(n-1) + S)                              (10)
 
となるが,Q(n) = 1/P(n) を導入すると (10) 式は
 
    Q(n) = Q(n-1) + 1/S                                        (11)
 
と簡単になり,一般項は
 
    Q(n) = Q(S) + (n - S)/S                                    (12)
    P(n) = P(S)S / (S + (n-S) P(S))                            (13)
 
となる.P(S) は 1 なので,結局
 
    P(n) = S/n                                                 (14)
    a(n) = 1/n                                                 (15)
    a'(n) = 1 - S/n                                            (16)
 
となる.
 
(証明終)

以上です.



ついでに,今回の音楽シャッフル・クイズの解答では


どのように分布が偏るかも考えてみたいのですが,厄介そうなので,思いついたらまたフィードバックいたします.
なんてことをうっかり書いてますが,結局思い付いてません(ぉ.最初,swap って線形代数でいう互換だから,偶置換と奇置換で違いが出るのかな,と思って N=3 でやってみましたが,見事にはずれました.誰か解いてくれ.ていうか考えてて塵理論思い出した.