選挙にマイナス票を導入してほしい

都知事選が終わったと思ったら地方選である.まとめて同じ日にやってくれれば良いのに,という気がするが,もうひとつ,以前から導入を望んでいるのが「マイナス票」である.



マイナス票というのは名前の通り,マイナスの働きをする票だ.普通の票の場合は,その候補者の得票数がインクリメントされるが,マイナス票を入れられるとデクリメントされる.



なんでこんなものが欲しいかというと,毎回選挙の時.「こいつに 1 票入れたい」という候補者よりも「こいつにだけは入れたくない」という候補者のほうが圧倒的に多いからだ.というか前者はまず滅多にいない.たいして魅力を感じない候補者からむりやり 1 人選んで 1 票を投ずるより,削りたい候補を一人選ぶほうがよっぽど楽だし,自分の意思をちゃんと反映させたという実感がわく.また今度の地方選のようにものすごい数の候補者から一人を選ぶ場合も,落とす人を選ぶほうがやりやすい.「入れたい人がいない」という無党派層も,これなら投票する気がおきて,投票率も上がるのでは? なぜ「入れたい」というポジティブな意思だけが前提とされているのだろう.「入れたくない」というネガティブな意思も同様に尊重する多数決があったってよいのではないか??



そもそもマイナス票を思い付いたきっかけは,10 年近く前にネットで見掛けた野球チームのお気に入り投票だ.この投票システムはマイナス票を導入しており,ジャイアンツが圧倒的なプラス支持を集めつつも,アンチ巨人ファンからのマイナス票も大量にあつめ,結局他のチームと大差ない結果となっていた.マイナス票は「ファンも多いがアンチも多い」候補にはかなり痛いシステムである.先日の都知事選にもし導入されていたら,結果はずいぶん違っていたのではないかと思う.



もちろん現在の人力開票システムではとても導入できないだろうな.電子投票の実現を待つしかないけど.さて,どんなもんでしょうかねえ.



追記 (2007-04-21): かがみさん,サーベイありがとうございました.推進派も反対派も既にたくさんいるんだろうなとは思いつつも,めんどくさくてぐぐるのさぼってました.

反対派の論理もなかなか面白くてなるほどと思った.まあ,現行制度でもおかしな点はいろいろあるからなあ.むしろ比例代表をなんとかすべきかも知れない.

格差という点では混合戦略投票って良いかも.実際,候補者を支持するかどうかなんてゼロイチで決められないし.ただ明日の区議選なんてものすごい数 (多い所で 70 人くらい) が立候補してるので,なんかもうどうでもよくなって均等に割り振る人が続出して,ごく一部の熱心な支持者の投票結果が結果を左右する罠??

実質マイナス票にしたい人は 30%, 0%, 30%, 30% みたいにする.
これって,消えた 10% は「白票」に割り振ったという解釈でいいのかな.混合戦略投票に白票を導入すると,さらに投票者の支持の強さも取り込めて面白いかも知れない.



追記 2 (2007-02-22): さらに追記頂きました.白票の件,深読みしすぎてしまったようで(^^;,こちらこそすみません.

それは現状の投票しない人 (あるいは白票) と全く同じことなので問題ないかと.
ああ,すみません,票の格差という意味ではご指摘通り問題ないです.

普段は棄権とか白票とかやらない人がこの方式で白票相当の投票をするようになっちゃって,結果が変わって来るかも,というようなことをそこはかとなく想定していました.どっちにしろ言葉足らずでした.