国際宇宙ステーションで使われている OS は?

bogusnews に「コンピュータの誤動作乗り越え…Word開発者、宇宙からぶじ帰還」なんていう嘘ニュースが載っていて,アンチ Word 論者として激しく笑わせてもらったが,

実は,国際宇宙ステーション (ISS) の搭乗員は実際に WindowsNT のトラブルに悩まされているなんていうニュースもあったりする.

ウェブサイトに最近掲載された指揮官の搭乗日誌によると、稼働を始めてまだ5ヵ月足らずのISSは、コンピューターのトラブルにほぼ毎日見舞われているという。
 そのほとんどは、米マイクロソフト社のウィンドウズNT関連のトラブルらしい。それに較べるとロシア製ソフトウェアのほうが信頼性が高いようだ。
ISSWindowsNT で動いているとしたら怖くてとても乗れたもんではないけど,実際には多くの部分で Unix が使われているようだ.

ネットワークには、米IBM社のAIX(UNIX)とウィンドウズNTサーバーとロシア製ノートパソコンが混在するようだ。このノートパソコンで作動するオペレーティング・システム(OS)の詳細は不明。
また,ISS 内で使われているノート PC は IBM ThinkPad 760ED で,OS は NASA 仕様の IntelSolaris 2.3 だという (かなり昔の情報なので,今は違うかも知れないけど).

Sun Microsystems, Inc. announces a cosmic milestone for its Solaris^(TM) operating environment: when the space shuttle launches in July 1998, Solaris software will move into orbit. Aboard the shuttle will be a Portable Computer System (PCS) developed by the National Aeronautics and Space Administration (NASA). The PCS is Sun's Solaris operating environment (Intel Platform Edition) and custom software developed by the NASA PCS Project team running on an IBM ThinkPad 760ED laptop computer.

ところで、NASA国際宇宙ステーションで使うThinkPadに載せるOSは、今となってはかなり懐かしいSolaris 2.3のIntel 386版、だと、昔誰かに聞いたことがある。しかもソースコードNASA向けに徹底的にデバッグしてある。
また ISS 内の微小重力の測定システムは,NetBSD ベースらしい.

Several PC104 ISA boxes running NetBSD 1.2.1 or 1.3.2.
欧州宇宙機構 (ESA) は ISS 関連業務 (ATV のランデブドッキング等) で Linux を使うことにしているようだ.

Among others, ESA has chosen Linux as the operating system for two software products which will control the rendezvous and docking operations for a servicing spacecraft called ATV.
日本人宇宙飛行士も,UNIX 操作実習なんてのをやらされる.

宇宙飛行士候補者は、計算機概論としてOS(基本ソフト)のひとつであるUNIX操作実習を筑波宇宙センターで行いました。
 UNIXは歴史が古く信頼性の高いOSで、ワークステーションや一部の高性能のパソコンに使われています。ISS全体では、約8割のOSにUNIXが使われており、通常の運用では直接UNIXを操作することはありませんが、システムに異常が生じたときなどの緊急時に操作する可能性があることと、基本的なプログラムの知識を学ぶためにUNIX操作実習を行いました。
また,今年度打ち上げが予定されている日本の ISS 実験モジュール棟 (きぼう) のシミュレータ,地上局,画像取得処理装置なども Unix ベースみたいだ.

機種依存性を出来得る限り排除し、各種メーカーのUNIXマシン(Linux含む)にて動作可能とする。

画像取得処理措置のOSとしては、UNIXを使用しています。
というわけでちょっと一安心(ぉ.ブルースクリーンで制御不能みたいなことはやめてくれよな.