朝日新聞の科学報道への取り組み

2005 年,「科学する心を応援する」キャンペーン,DO (ドゥー) 科学を展開するという.

恐竜博 2005 の開催,子供科学教室の開催,子供向け週刊科学誌の創刊…と,かなり「教育」に力を入れている模様.科学離れを食い止めようという意図のようだ.

子供が科学に触れる機会が少しでも増えるのは歓迎だし,個人レベルではその子の人生を変えるようなものになりうるかもしれない.だが,いくら巨大新聞社のキャンペーンといっても,「目に見える」効果が出るだろうかとちょっと心配である.何か方法論が古いなあという気がする.同様の試みが今まで繰り返されて来たが,抜本的改革にはつながらなかったように思う.といっても何も新しいアイディアは思い付かないのだけど.

思うに,子供をターゲットとするだけでは足りないんじゃないか.親,先生,世論,官僚,そのあたりを何とか(?)しないと,付け焼き刃で終わってしまうのではないか.周囲の大人に科学への理解がないと,子供にも芽が育たない.恐竜博や科学教室だって,子供が自力で開催情報を探せるだろうか? 大人が探して,連れて行くのである.何とかして大人の意識を高められないものかな.

毎日新聞理系白書シリーズは,今までの科学欄と違い,「営みとしての科学」「職業としての科学」に焦点を当てた.これはかなり,大人側にアピールする内容だったと思うし,多少は世論も動いた.この手のキャンペーンと,今回の DO 科学のようなキャンペーンがうまく両輪として機能すればよいのかも知れない.と強引にまとめる.

ちなみに創刊される科学雑誌「かがくる」(蚊が来る?w 科学る,かな) は,科学雑誌が軒並休刊した今,野心を感じる.失速しなければよいのだが.「スペースキャスターマリの突撃リポート」というコーナーの紹介文に

未来の地球!人類は、科学の力で進化した!
深い海の底や地球の中心までもぐることもできる。
宇宙の果てまで探検することだってできる。ついに夢のタイムマシンも完成!

とある.宇宙の果てや地球の中心よりまず,その世界像についてぜひリポートしてほしいw.「シイタケ仙人の小さな旅」コーナーの主人公は妖精だそうだ.まあ,「まんがサイエンス」にも「断わり付で」精霊かなんかがでてきたことだし,話のきっかけとしてはいいんじゃないかと思うのだけれど.あと,学研みたいな付録がないのはちょっと寂しいかな.個人的に.