シンドラーエレベータのバグ

ついにシンドラーエレベータのバグの内容が発表された (港区のマンションの機種とは違うらしいのだが…).


扉が閉まって0・25秒以内に「開」のボタンを押すと、扉が開くにもかかわらず、扉が閉まってから0・5秒後に始まるモーターの起動が止まらず、かごが動き出す。コンピューターが、かごが止まっていると誤認して指定階に止まるよう指示しないため、かごはそのまま最端部まで動いてしまうという。
これはひどい….




ドイツ語の日刊紙ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥングはさらに詳しく「シンドラーのイメージは大きく崩れた。こうした事故の際に立ちはだかる問題が2つある。1つは日本では人の生命にかかわる技術については他の国と比べて、非常に厳しく完璧さを求められること。もう1つはグローバル化にあっても依然ある文化の大きな違い。記者会見で頭を下げ日本式に謝罪したことをシンドラーの米国の顧問弁護士は、会社が過ちを認めたことになると戦慄(ホラー)を持って受け止めた」と書いた。
これもなかなかショッキングな話だ.「他の国」は「人の生命にかかわる技術」に日本ほどの完璧さを求めないということなのか….



日本は人命に関わる技術に「特別に」厳しい,とでも言いたげだが,特別でもなんでもない,技術者として当然過ぎるくらいのことじゃないのか? それとも世界では特別な姿勢だったのか? 新幹線が「開業以来死亡事故ゼロ」をことさらに強調してきたのはその意識の延長だろうし (残念ながら 95 年に途切れてしまったが),日本での有人宇宙開発が極度に慎重なのもそのせいだろう (米ソの過去の多くの事故と同等のものが 1 件起こっただけでも,有人プログラムは無期限凍結になりかねない).でも,その姿勢は間違ってないと私は思う.



スイスもドイツももっと技術者倫理はしっかりしてると思ってたのになあ….