惑星は増えるのか?

先週,惑星の新定義の原案が出たことで何やら大騒ぎになっている.

今回提案されている議案の FAQ については,現地にいる方の以下の記事とアストロアーツの特集記事が参考になる.今まで衛星だったり小惑星だったりしたものが惑星になるかも知れないというのは何とも違和感があるんだけど,この議案に対する批判は実際かなり多いようで,原案通りにはいかない可能性が高くなってきた.

 16日付けのアストロ・トピックスでお知らせしたように、惑星の定義につい
国際天文学連合では議論が続いています。18日午後に開催された第三部会で
は、太陽系や惑星科学を専門とする天文学者だけでなく、国際天文学連合の会
長を始め、評議員会の面々も出席し、16日に示された提議案を中心にホットな
議論が繰り広げられました。案に対する批判も多く、軌道の側面や天体力学的
な側面からの定義をすべき、あるいは絶対等級で決めるべき、さらにはもっと
単純に大きさと形だけで決めるべき、という様々な意見が披露されました。も
ともとの案では平衡形状という、子どもにとっては難解な概念を使っているこ
とも批判の対象となりました。
 
 さらに pluton という新しい分類名にも批判が集まりました。16日の公表以
来、外部の地質学者からも pluton は別の意味で使っているので、混乱すると
いう声が寄せられています。また pluton は、一部の言語では実質的に pluto
と同じだ、という批判もありました。 plutoid あるいは dwarf planet を使う
べきであるという声もありました。(非公式な挙手による意向調査では、pluton
を使うことに反対の人が圧倒的多数でした。)
 さらには、「そもそも定義など必要ないのでは」という意見まで飛び出し、
全く予断を許さない状況となっています。

i) Planet(古典惑星)とPluton(冥王星型惑星)を太陽系の惑星とする(質量が5x10^20 kg以上で、半径が800km以上を自己重力安定天体とする)。新たに、Pluto(冥王星), カロン(Charon), 2003UB313冥王星型惑星になる。もう一つは、Ceres(セレス)で、dwalf planetに定義され、合計で惑星が3つ増えて12個になる。
 
ii) 冥王星は惑星としない。古典惑星のみが惑星である。Plutonという名称は使わず、「dwalf planet」とする。質量や半径の定義も示される?
 
最後に参加者の挙手で、5:1の多数で(ii)案が(小生を含め)圧倒的多数だった。
さらに,「第十惑星」2003UB313 の発見者自身までもが,この定義に反対している.面白いことになってきた.ともかく,歴史的瞬間をwktkしながら待つことにしよう.